自転車生活のススメ
自転車が路側帯を通行する場合、左側通行がルール化されました。
えー、自転車乗りにくくなるー、って思っている人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
これまでこの国では、自転車はあまりに「宙ぶらりん」な位置づけにありました。
それをホンキで、交通の要としていこうという機運の高まりが、今回の道路交通法の改正の背景にはあるとように思います。
道路交通法では、「車両」とされているのに、歩行者のように歩道を走ることが当たり前。
ブレーキのないピストバイクなど、とんでもなく危険で、しかも違法で危険な乗り物で、気軽に道路に漕ぎ出してしまう人も少なからずいた。
つまり自転車は、「車両」だという意識が薄かったことの現れです。
しかし、きちっとしたルールが整備され、それが浸透すれば、自転車は都市においては魅力的な異動手段だと思います。
だってさ、なにより圧倒的に「早い」。
東京であれば、電車なんてある意味、目じゃないんです。
例えば...
東京23区内においては、最も早く目的につくことのできる「最速の移動手段」といっても過言ではない。
例えば、渋谷区の区役所から新宿区の区役所に移動するとする。
まずは自転車の場合。
一方、電車の場合。
山手線にのれば、電車にのっている時間は、5分ほど。
なんだ、電車のほうが早いじゃん。
いやいやそんなことはないんですよ。
だってさ、駅まで歩く時間と、駅から歩く時間がありますよね。
渋谷区役所から渋谷駅までは少なくとも10分はかかります。
ね、早いでしょ?
さらに自転車は、多忙な都市生活者にとっては「移動」を「運動」に変えるというメリットがある。
わざわざスポーツクラブにいって、お金を払ってエクセサイズせずとも、自転車で町にでかければそれ自体が運動になる。
こうしたメリットに、都市生活者の多くが気づき始めています。
さらにこの数年、東京においては、「追い風」が吹いています。
以前は、駅前など放置自転車が道を塞いでいましたが、街のあちこちに公共の駐輪場が整備され、とても便利になりました。
またホテルや百貨店などでも、ほとんどが駐輪スペースを確保するようにもなりました。
自転車乗りにとっては、本当にありがたい状況です。
むしろ自転車の乗り手のほうが、意識の変革を求められています。
歩行者も、車のドライバーも、「自転車は怖い」という人がとても多い。
左側通行、信号、手信号、夜間のライト点灯など、まだまだ守られていないことが沢山あるのです。
その変革を、今回の道路交通法改正が、後押してくれることを望んでやみません。
いろいろな混乱もあることでしょう。
でも、その先にとても素敵な未来があるように思います。
「東京は、今こそ変わるべきだと思う。
そして世界に誇れる、持続可能な”コンパクトシティ”に生まれ変わろう。
自動車よりも自転車を、高層ビルよりも緑豊かな公園を、夜のネオンよりも朝のトリのさえずりを!」
2020年のオリンピックの時に、東京はどんな街になっているのでしょうね。