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kawabouの日記

混沌の世の中をマドルスルーするための日々雑記。はたらく、みる、かんがえる。そしてときどき、自転車に乗って。

芝生の上を3時間走り続ける。

フルマラソンチャレンジまで50日を切りました。

 

そんなある日、私のコーチでもある西本武司さんから召集がかかる。

 西本さん:「そろそろ3時間走、やっといたほうがいいすねー」

   私:「いきなりそんなに走れますか」

西本さん:「芝生の上をゆーっくり走りますから大丈夫ですよ」

 

 ということで久しぶりによく晴れた日曜日、世田谷の砧公園に午前10時に集合。

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西本さんは、自らもサブ3間近の筋金入りのランナーであり、箱根駅伝に精通していたり、NumberDoとか様々な媒体に寄稿したり、ランニングイベントを主催したりと、「市民ランナー」のキーマンとして活動している。

その一方で渋谷のラジオの制作部長をしていたり、本のプロデュースをしていたり、番組の企画を考えたり、何をしているかわからないけど、やたらいろんなことに精通している人である。

 

 一緒にフルマラソンにチャレンジする日テレのT部長こと、土屋敏男さんもこの3時間に参加。土屋さんは、すでにフルマラソン完走の快挙を成し遂げている。

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西本さん、走り始める前に入念な準備がある。

まずは靴の紐結び。ゆるんでいないかどうかは無論だが、靴のなかで正しい位置で足が固定されるために、「正しい結び方」を指南する。

靴紐がゆるんでいる状態で、かかとで地面をトントンさせた上で、紐を結ぶ。

結び方にもコツがあるのですが、憶えられなかったので、こちらを参照してください。

 

そんな間にも数々の芸人を震え上がらせてきたT部長、ぼそっとつぶやく一言で私の弱い心を折ろうとする。

 

T部長:「河瀬さん、フルマラソン走るとね、想像を超えたことが

    いっぱいおきるんですよ」

   私:「(ドキドキしながら)想像を超えたことってどういうことですか」

T部長:「例えばね、足の裏が痛くなるんですよ」

   私:「えっ!足の裏ですか!」

T部長:「尋常じゃない回数、足を着地させつづけるわけですから、

    尋常じゃない負荷がかかるんですよ。シャツに擦れて乳首が痛くなったりね」

   私:「えっ!乳首もですか!」

 

そんなことを話していると、西本さんがおもむろに何かを差し出す。

 

西本さん:「走る前に、これ飲んでください。楽に走れますから。」

   私:「なんですか、これ?ラクに走れるってひょっとして何かヤバい...」

西本さん:「アミノバイタルを水で溶いたものです。

      走る前にアミノ酸を体に入れておくといいんですよ」

f:id:kawabou:20161016100509j:plainその後も1時間おきに補給するためのアミノ酸ゼリーパックを、土屋さんと私の分を用意していたり、氷入りの水ボトルを持ってきていたり、西本さん、その準備は完璧である。

 

で、もちろん体にガタのきたシニアランナーである私は、準備運動も入念に行い、10時20分ごろに砧公園のなかを走り始める。

 

砧公園には、ランニングコースがあるのだが、西本さんはそこは走らないという。

   私:「あれ、コースを走らないんですか」

西本さん:「芝生の上を走りますからね、その方がいいんです」

   私:「そうなんですか?」

西本さん:「クッションがいいので膝とかを痛めにくいんですよね。

      その反面、アスファルトと違い靴のクッションの反発が少ないので、

      より多くの負荷が筋肉にかかるんですよ」

   私:「なるほど、安全に高負荷トレーニングができるってことですか」

 

なんてことを話しながら、もくもくと走る。

ペースは1キロ8〜9分。本当にゆっくりだけれどそれでもしっかり負荷がかかる。

 

西本さん:「フルマラソンの練習は、距離じゃなくて時間なんですよ」

   私:「どういうことですか?」

西本さん:「最初から距離ははしれないじゃないですか。

      長時間体を前に進み続けることに慣れることがまずは大切なんです。

      歩くのでも3時間歩き”続ける”のはやはり相当な負荷なんです。

      そうして初めてサビついた身体が動きだすんですよ。」

   私:「はあ、そんなもんなんですか」

 

西本さん:「それに3時間走をすると、フォームも自然によくなります」

   私:「ただゆっくり走るだけですか?」

西本さん:「そうです。長時間走り続けると、なるべくラクに走れるように、

     自然に身体からチカラがぬけるので、無駄のないフォームになるんです」

   私:「はあ、そんなもんなんですかねえ」

 

でも確かにそれはそうでした。

下の写真は、走り始めて1時間くらいの時のもの。

私のほうをみると、肩がかなり上がって力んで走っているのがわかります。

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で、こちらは2時間くらい走り続けた後の写真。

肩が下がってリラックスして走っているように確かに見えます。

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しかも不思議なことに後日、筋肉痛もなかったんですよね。

3時間走り続けたのは、たぶん47年の人生のなかで初めてなので、それなりの疲労はありましたが、全く筋肉痛がないということは、それなりのフォームで走れていたのかもしれません。

さすが市民ランナーのキーマン・西本さん、おそるべしです。

 

そんなこんなで走り続けて、あと数分で3時間走達成というところまできた時、西本パイセンのペースがじわじわ上がり始める。

 

西本さん:「河瀬さん、ここから負荷をマックスまであげますよ」

   私:「え!」

西本さん:「最後は全力走のペースまであげます」

   私:「えええええええ!」

 

といっているうちにみるみるペースがあがる。

そもそも1キロ8分ペースだったのに、あっというまに1キロ5分ペースに。

 

西本さん:「あと2分です。ここからさらにあげていきます」

   私:「はい!(まだあがるのか)」

西本さん:「1キロ4分30秒まであがります」

   私:「はい!(マジすか!)」

 

この頃から西本さんの顔から笑顔が消え、炎の鬼コーチモードが発動される。

 

西本さん:「腕の振りを大きく!」

   私:「はい!」

西本さん:「坂道は、体を前傾!」

   私:「はい!」

西本さん:「ペースアップ!」

   私:「はい!」

 

と、そんなこんなで無我夢中でゴール。

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クタクタに疲れて芝生の上に倒れ込んでいたら、西本さんが自販機でコーラを買ってくれた。

 

西本さん:「走った後は、これがうまいんですよ」

 

確かに激ウマでした。

 

数々のランナーをフルマラソン完走に導いただけあって、その指導はきめ細かく完璧。

西本さんの教えを守っていれば、ひょっとすればヘタレの私も...と夢見る47歳。

あと1ヶ月あまり、やれるだけやってみようとおもったのでアリンス。

47歳。フルマラソンにいどみます。

フルマラソン

初めてです。

あと2ヶ月を切りました。

 

ずっと気にはなっていたんです。

思い出したように、ジョギングをしたりもしてたし、東京マラソンになんの準備もしてないのに応募してみたり。

 

で、やるならそろそろかなぁと思っていたんです。

きっかけは、毎週金曜に出演させてもらっている「渋谷のラジオ」。

市民ランナーのキーマン・西本武司さんと、東京マラソン完走経験者の日テレの土屋敏男さんとでラジオで話していた時に、みんなででてみますか、という流れになり、この機会を逃しては、と走ることを決めました。

 

舞台は12月4日の湘南国際マラソン

もう2ヶ月をきっているのですが、まだぜんぜん走れる気がしません。

昨日は1時間半、15キロを走りましたが、筋肉痛です。

というか出走を決めてから、週に2度か3度を走るようにしているのですが、それ以来、ほぼ毎日が筋肉痛です。

 

西本さんが勧めてくれた小出義雄さんの本を読み、何が必要かは理解できました。

 

しかしそんなにパッと身体能力が伸びるわけでもなく気持ちばかりが焦ります。

市民ランナーのキーマン・西本さんは会うたびにいろんなアドバイスをくれます。

 

「速く走る必要はありません。長く走ることが大切です」

「土踏まずをマッサージしてください。ここが硬くなると膝がやられます」

「最初はアミノ酸サプリを飲むと、少しは楽に走れます」

 

1キロ7分でもし仮に完走できたとして、およそ5時間走り続けることになります。

すでに完走経験を持つ友人知人たちは、壮絶な経験を語ります。

 

30キロをこえるとガクンと走れなくなる。

靴下が擦れて足の裏が痛くなる。

服が擦れて乳首が痛くなる。

完走したら歩けないから迎えの人を頼んだほうがいい。

 

 もう走るって宣言しちゃったし、とにかく(なるべく)トレーニングをします。

膝や足首への負担を減らすため、体重も(少しだけ)落とすつもりです。

 

47歳男子、フルマラソンにいどみます。

 

10年目のツールド妻有

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今年も走ってきました。

ツールド妻有。新潟県十日町で開かれるロングライドイベント。

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毎年開かれているのだが、3年に1度開かれる芸術祭・トリエンナーレの年にはもれなくジャージがもらえ、イベントそのものが揃いのジャージを着て走るというアート作品の一部になれるというのも人気の理由のひとつ。

これまでいくつかのロングライドイベントに参加してきたが、毎年走りにくるのは、このツールド妻有をおいて他にない。コースの面白さ、ホスピタリティの高さ、そしていろんなものが洗練されたデザインに包まれている。国内では、最高のロングライドイベントのひとつだと思う。

 

今年は10周年ということもあり、トリエンナーレの年ではないが、ジャージが支給された。しかもいつものイエロー基調ではなく、紺色のジャージ。

 

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今年は、1000人が参加。そのうち700人が122キロの過酷なコースに挑んだ。獲得標高は2000メートル、厳しくはあるが、起伏に富み、絶景を楽しめるコースである。

 


スタート地点でありゴール地点でもある、ミオンなかさとには5時すぎから参加者が集まり始め、スタートポジションを確保するために自転車を並べていく。

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スタートはおよそ10人ぐらいずつが一定間隔をおいて走り始めるのだが、今年は早起きした甲斐があり、第1組でのスタート、先頭集団を走ることになった。自分の前にほとんど誰もいないというのは、すごく気持ちがいい。

 

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しばらくすると、なぜか先頭で1人で走ることに。しばらくするとものすごく早い2人組が抜かしていったが、それ以外、後ろから追いつくものもなぜかいなく(きっとエイドステーションでノンビリしているのだと思うのだが)、淡々と走り続ける。

 

フラットな道は少なく、上っているか、下っているか、どちらか。毎年天気がぐずつくことがおおいのだが、今年は台風一過の晴天に恵まれ、脚はキツいが、目に飛び込む風景の美しさに癒され、走り続ける。

 

写真は、コースのなかでもすごく好きな権現山の尾根沿いを走る道。勾配がそれほど厳しくないので、自分のようなヘタレレーサーでも、アップダウンがあるのだがスピードを出して駆け抜けることができる。

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ツールド妻有のもう一つの魅力は、コースだけではなくエイドステーションの充実ぶり。コースが通過する集落の人々が、思い思いのおもてなしをしてくれる。コシヒカリのおにぎりはもちろんのこと、豊富な漬物、トマトやキュウリを味噌でかじる、氷の入った冷汁、バナナ、スイカなど、照りつける太陽のもと、走り続ける肉体に、糖分、塩分を補給するための、地元グルメがこれでもかとずらりとならぶ、スタートから52キロの地点にある坪山峠のASでは毎年パエリアが振舞われる。

 

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沿道にも、たくさんの町の人々が応援にでていて、がんばれー」と声をかけてくれる。家の前に、椅子をならべ、旗をふったりしてくれる光景を見ると、ちょっと胸が熱くなる。ただイベントに参加しているだけなのだが、地域の人々が歓迎してくれているのが嬉しいし、ゆるやかなつながりのようなものを感じる。このあたたかさは、ツールド妻有の最大の魅力かもしれません。

 

お昼ご飯のASは、スタートから72キロ地点にある農舞台。今回はほぼ先頭を走っていて、ASもガラガラ。90キロ、そして70キロのショートコースの、先頭グループの人々がチラホラいるぐらい。ここでは毎年、地域のお蕎麦屋さんが来て、美味しいへぎそばが振舞われる。今年もご相伴にあずかりましたが、あまりにお腹が減っていて、あっと言う間に完食、写真をとるのを忘れました。

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この農舞台をこえてからが、厳しい上りが続く激坂ゾーン。儀明、星峠、五十子平という3つのピークを走破する。写真は、ツールド妻有でもっとも美しい風景のひとつ、星峠から見た棚田。ここまでの上りはかなりキツイが、今年は協賛企業のひとつ、JBS(ジャパンビジネスシステムズ)の社員だという方に引いてもらい、なんとか登りきる。ASの方から、「あなたたちの前には2人しかいませんよ」といわれる。

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JBSの方にはその後もしばらく引いてもらったのですが、星峠を下った後、ゆるい坂でチギられてしまう。ゴール後にご挨拶しましたがとても素敵な方でした。

 

最後の激坂は、スタート地点から109キロの五十子平。棚田の間を縫うように、斜度20パーセント近い坂が2キロほど続く。ここに至るまでに脚は相当酷使されており、自転車を引いてあがる人も少なくない。しかしそこを越えてしまえば、あとは下り基調。ゴールのミオンなかさとまではあと10キロあまり。

 

結局どうやら4位でゴールイン。どうやらというのは、そもそもレースではないので着順はでない上に、ショートコースの先頭組がゴールしており、よくわからなくもあるのだが、星峠で「前にいるのは2人だけ」と言われてから、誰にも抜かれてはいなので、どうやらそうであろうと。

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総走行時間は5時間27分。

 

ゴールにも、豚汁とおにぎり、漬物が用意されており、疲れた身体にとても嬉しい。しかも新潟コシヒカリだけあった本当に美味しいのである。そしてゴールのミオンなかさとは、立派な温泉施設でもあり、入浴券ももれなくもらえる。これだけホスピタリティの高いイベントはそんなにないと思います。

 

ゴールのあと、霧ヶ峰でであったミズオチさんと再会。彼は十日町農業生産法人で働いていて米作りをしている。ツールド妻有のゴール地点で、自分で作ったお米を売っていたのですが、そのパッケージがあまりに可愛くてついつい買ってしましました。

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安全なお米をつくりたいと、ヤギに雑草を食べさせようとしたんだけど、稲穂も食べちゃうらしく、今はマスコット的存在として子どもたちの人気者。そのためお米のパッケージもヤギなんだそう。

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購入はこちらからもできます。

おまけですが、ツールド妻有の開かれる十日町は、へぎそばが有名。走りにいくたびに食べにいっている、由屋と小嶋屋、どちらも絶品。これもセットでツールド妻有はやはり最高のライドイベントです。

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グルッとまるごと栄村100㎞サイクリング 2016年8月7日

栄村でのサイクリングとは銘打っているが、ハードなイベントに初参加。

 

走行距離114㎞、獲得標高2500mというのは、それなりの脚力がなければ完走できない。前からその存在は知っていたが車でのアクセスがマストなため、これまで敬遠してきたが、今年はツールド妻有の前哨戦として走っておこうと思い立ち、友人に車を借りて参加した。

 

スタート地点は、栄村の役場の近くのさかえ倶楽部スキー場。

さすがスキー場だけあって、駐車場は相当に広く、すべての参加者の車が駐車可能のよう。これはすごいですね。

深夜、東京を出発し駐車場が空くという朝5時に到着。

まずは受付を済ませる。

バイクを組み、注油したり、空気を入れたりして、スタートを待つ。

日の出が美しい。

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100キロコースは朝7時にスタート。

10人ずつぐらいが順次、送り出されていく。

今回は、たまたま第一グループでスタートを切る。

しかしサイクルコンピューターのセンサーが異音をたてていて、すぐに脇道に逸れて調整、そのせいで第三グループに飲み込まれて再スタートを切る。

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コースはやはりタフでした。

前半30キロぐらいまでは印象としてはずっと登っている感じ。

その後も折り返すまでは登り基調。

こういうコースは、アシの差がはっきりとでる。

脚力、そして自らの重さ、このバランスで速さは決まる。

お腹が出ていて坂道が早い人は、すごく脚力が強いということになる。

なかなかそんな人、いないですけど。

 

コースからの景色はとにかく雄大。

そびえ立つ山塊を尻目に、息を切らしながら、ただただペダルを回す。

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個人的に贅沢を言えば、コースとしてはもう少しメリハリがあってもいいかなと思う。

ずっと登って、ずっと下ってみたいな、そんな感じがする。

あと補給に関しても、もう少しバリエーションがあってもいいかなと思う。

バナナ、きゅうり、トマト、ゆべし。

印象に残ったのは、この4つの品でどのエイドステーションでも基本同じ。

昼食には、おにぎり2つ。

これ補給食を持参しないとハンガーノックになりかねないです。

スタート時に配られた、ミニ羊羹がかなり貴重な糖分でした。

 

ただ景色は本当にすごいです。

それだけでプライスレスな感動があります。

 

あと20キロぐらいの地点で、細い農道がコースとなっており、バイクを引いて歩く。

その先には吊り橋。

ちょっとしたアトラクションとして面白かった。

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この日、少し浮き足立っていたのか、スタート時にガーミンのスイッチを入れ忘れ、すべてのコースの記録がされていないので、正確にはわからないのだが、おそらく114キロのコースを5時間ちょっとで完走した。

Bike Ride Profile | Morning Ride near | Times and Records | Strava

 

ゴールした時点で、あとからスタートした40キロコースの人たちもゴールしていたので、どのくらいの着順だったのかは不明。

 それでも酷暑の中、獲得標高2500mを登りきった充足感は、ハンパなかったです。

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天空ライド 美ヶ原・霧ヶ峰ビーナスライン

多くのロードバイク乗りが憧れる絶景ロード。
オートバイロードバイクの絶景ロード特集ではかならず上位にランキングされる。

平均標高1400m、周囲に遮るもののない、絶景が続くビーナスライン

そのハイライトが、車山高原から美ヶ原にかけての30キロあまり。

 

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頭上には広い空。

風の音、鳥のさえずり、時折通る車の音さえ心地よい。

見下ろせばはるかかなたに街が見える。

標高差はそれなりにあるが、その美しさにペダルも軽くなる。

 

松本や上諏訪の町から自力で上がる手もあるが、そうなるとかなりの脚力が必要となるし、相当な時間もかかる。そこで天空の絶景ロードを心ゆくまで楽しめる車でのアクセスからのライドを紹介する。

 

latlonglab.yahoo.co.jp

 

起点としたのは、車山高原スキー場。

ビーナスラインには至る所に無料で利用出来る駐車場がある。夏から紅葉にかけてのシーズン中、かなりの混雑が予想される。今回は朝9時に車山高原に到着、その時点ではまだ駐車場はかなり余裕があった。

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ここから美ヶ原を目指す。

まずは登り。

だいたい斜度5㌫ぐらいの坂道が続く。

遠く目をやれば富士山も見える。

でもこの日は雲の傘をかぶり、その姿を見ることは叶わなかった。

 登りはおよそ5キロ。

そこから先はおよそ10キロ、一変下りが続く。

 

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次の登りは、三峰山を望む、三峰大展望台までの4キロあまり。

ここでの斜度は若干きつめではあるが、激坂というほどでもない。

葛折りで高度を上げていく。

三峰大展望台の標高は、1740mあまり。

いっきに標高200m以上を駆け上がる。

 

三峰大展望台では、360度のパノラマが開ける。

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あまりの美しさにバイクを降り、見晴台まで歩く。

本当に360度ぐるりと連なる山々を見渡すことができる。

この風景をみるだけでも来たかいがある。

 

ここまで1時間あまり21キロのライド、この先、美ヶ原美術館までは13キロぐらいあるが、今回はここで折り返した。

まだまだ足は残っていたが、時間がなくなり断念。

しかし超充実のコースだった。

STRAVAの実走の記録は、こちら。

Bike Ride Profile | Morning Ride near | Times and Records | Strava

 

距離42キロ、獲得標高940mの絶景ライド。

また紅葉の季節にチャレンジしたいなぁ。

 

 

かぐや姫/「自由への逃走」

かぐや姫の物語」は、とても美しい映画です。

しかし同時に、この国が大きく揺れている今、とても大切なことを問いかけているように感じます。
 
「自由とは何か」 
 
この現代的のテーマは、不可思議ともいえるエンディングシーンに隠されています。
ネタバレが含まれますので、ご了承ください。
 
いよいよ月に帰らねばならなくなったかぐや姫
多くの兵が「かぐや姫」を守るために屋敷を取り囲む中、絶大な「チカラ」をもった天上からの一行が、迎えにきます。
そして、天の衣をかけられた「かぐや姫」は、記憶をすべて失ってしまいます。
しかし姫は、地球を離れるとき、地上を振り返り、悲しげな表情を浮かべます。 
 
これって、どういうことなんでしょうか。
記憶を消去されて、静かなる心をえる、それは美しい理想郷なのでしょうか?
 
地上は「けがれ」の場所。
人の心は実に不可解だし、時に不条理です。
一方で、天上世界は、清らかで、乱れのない、秩序の世界。
しかしそこに「こころ」はありません。
 
地上には、移ろう四季があり、その美しさには、心が動かされます。
男と女は恋におちるし、時に諍いも絶えません。
でも、だからこそ「生きている実感」があるともいえるのです。
 
宮崎駿監督が「風立ちぬ」で舞台装置にに選んだのは、「震災」「病」「言論統制」「戦争」という、暗くてタフなこの国の過去でした。
いま、どことなく重苦しい時代だからこそ、このテーマから逃げてはいけないという思いがあったのだと思います。
 
そして高畑勲監督は、誰もが知る「竹取物語」を原作にした映画をこのタイミングで世に放った。
そこにはスティーブ・ジョブズの「1984」みたいな、体制に対する挑戦、ないしは、「時計仕掛けのオレンジ」でキューブリックが放った「自由とは何か」という問いがあるように思うのです。 
 
為政者は、いつの時代も社会というシステムが、乱れなく合理的であることを追求しがちです。
しかし時に「体制」は、「自由」を踏みにじることがあります。
 
高畑監督が学生時代に出会い、映画を志すきっかけとなったといわれる、フランスのポール・グリモー監督が手がけた長編アニメーション映画「王と鳥」。
それはまさに「体制と自由」をテーマにした物語です。
 
以下、あらすじをWikipediaより。
砂漠の真ん中に聳え立つ孤城に、ひとりの王が住んでいた。その名も、国王シャルル5+3+8=16世。わがままで疑心暗鬼の王は、手元のスイッチ一つで、気に障る臣下を次々に「処分」していった。 望みさえすれば、なにものでも手に入れることが出来るはずの王シャルルは、しかし、ひとりの羊飼い娘に片思いをしている。 城の最上階に隠された、秘密の部屋の壁に掛かった一枚の絵の中に、その美しい娘はおり、隣合わせた額縁のなかの、煙突掃除屋の少年と深く愛し合っていた。 嫉妬に狂う王を後に、ふたりは絵の中から抜け出し、一羽のふしぎな鳥の助けを借りて城からの脱出を試みる。
この映画をみた高畑監督は、「アニメーションが思想や社会を語ることができる可能性を感じた」そうです。
 映画は閉じたものではなく、外の世界で風がふけば、それが作品の中にも吹き込んでくるようにしたいと語る高畑監督が作り上げた、映画「かぐや姫の物語」。
先の見えない、どこか息苦しさを感じる今、骨の太いテーマを感じさせます。
 

自転車生活のススメ

自転車が路側帯を通行する場合、左側通行がルール化されました。

えー、自転車乗りにくくなるー、って思っている人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
これまでこの国では、自転車はあまりに「宙ぶらりん」な位置づけにありました。
それをホンキで、交通の要としていこうという機運の高まりが、今回の道路交通法の改正の背景にはあるとように思います。
 
道路交通法では、「車両」とされているのに、歩行者のように歩道を走ることが当たり前。
ブレーキのないピストバイクなど、とんでもなく危険で、しかも違法で危険な乗り物で、気軽に道路に漕ぎ出してしまう人も少なからずいた。
つまり自転車は、「車両」だという意識が薄かったことの現れです。
そんな曖昧な状態で、ロードバイククロスバイクなど、スピードが出るスポーツ自転車がブームとなり、事故が急増した。
 
しかし、きちっとしたルールが整備され、それが浸透すれば、自転車は都市においては魅力的な異動手段だと思います。
 
だってさ、なにより圧倒的に「早い」。
東京であれば、電車なんてある意味、目じゃないんです。
 
例えば...
東京23区内においては、最も早く目的につくことのできる「最速の移動手段」といっても過言ではない。
例えば、渋谷区の区役所から新宿区の区役所に移動するとする。
まずは自転車の場合。
新宿から渋谷までは距離にして4キロほど、スポーツバイクであれば、ドアツードアで15分ほどだ。
 
一方、電車の場合。
山手線にのれば、電車にのっている時間は、5分ほど。
なんだ、電車のほうが早いじゃん。
いやいやそんなことはないんですよ。
だってさ、駅まで歩く時間と、駅から歩く時間がありますよね。
渋谷区役所から渋谷駅までは少なくとも10分はかかります。
さらに新宿駅から新宿区役所だって10分ぐらいはかかりますよね。
 
ね、早いでしょ?
 
さらに自転車は、多忙な都市生活者にとっては「移動」を「運動」に変えるというメリットがある。
わざわざスポーツクラブにいって、お金を払ってエクセサイズせずとも、自転車で町にでかければそれ自体が運動になる。
 
こうしたメリットに、都市生活者の多くが気づき始めています。
さらにこの数年、東京においては、「追い風」が吹いています。
以前は、駅前など放置自転車が道を塞いでいましたが、街のあちこちに公共の駐輪場が整備され、とても便利になりました。
またホテルや百貨店などでも、ほとんどが駐輪スペースを確保するようにもなりました。
自転車乗りにとっては、本当にありがたい状況です。
 
むしろ自転車の乗り手のほうが、意識の変革を求められています。
歩行者も、車のドライバーも、「自転車は怖い」という人がとても多い。
左側通行、信号、手信号、夜間のライト点灯など、まだまだ守られていないことが沢山あるのです。
 
その変革を、今回の道路交通法改正が、後押してくれることを望んでやみません。
いろいろな混乱もあることでしょう。
でも、その先にとても素敵な未来があるように思います。
 
福島での原発事故の直後、節電のために真っ暗になった新宿副都心を眺めながら、Twitterでこんなことをつぶやきました。
 
「東京は、今こそ変わるべきだと思う。
 そして世界に誇れる、持続可能な”コンパクトシティ”に生まれ変わろう。
 自動車よりも自転車を、高層ビルよりも緑豊かな公園を、夜のネオンよりも朝のトリのさえずりを!」
 
2020年のオリンピックの時に、東京はどんな街になっているのでしょうね。